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論語


論語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AB%96%E8%AA%9E

論語(ろんご Luny?, 古音は Luny?)とは、孔子と彼の高弟の言行録を孔子の死後、弟子達が書物にしたもの。孟子・大学・中庸と併せて四書の一つに数えられている。

成立

論語は前漢初期に出現し、後漢末期に現在の形にまとめられた。もともとは孔子の言行録を弟子や孫弟子たちが記録したものだという。

春秋末期の語法を残しているとの分析もあるが、平勢隆郎はこれを戦国時代に作文されたものとする。

日本には、応神天皇の代に百済の王仁と言う人物によって伝えられ、律令時代の官吏必読の書となった。

孔門十哲

孔子の弟子の中で特に優秀とされる十人をいう。
顔淵(顔回),閔子騫,冉耕(冉伯牛),冉雍(仲弓),宰我(宰予),子貢(端木賜),冉有(冉求),子路(仲由),言偃(子游),卜商(子夏)

構成

全20編で構成される

学而第一
為政第二
八?第三
里仁第四
公冶長第五
雍他第六
述而第七
泰伯第八
子罕第九
郷党第十
先進第十一
顔淵第十二
子路第十三
憲問第十四
衛霊公第十五
季氏第十六
陽貨第十七
微子第十八
子張第十九
堯曰第二十

注釈

漢代には既に、馬融や鄭玄などが『論語』に注しているが、現存最古のものは魏の何晏がまとめた『論語集解』(古注)である。南宋の朱子は、独自の立場から注釈を作り(新注)、江戸時代以降の日本ではもっぱら新注が用いられた。

関連語

論語読みの論語知らず
「過ぎたるは尚及ばざるが如し」
「まずその言を行い、而(しか)して後にこれに従う」 知行合一 不言実行
「賢を見てはひとしからんことを思い、不賢を見ては内に省みる」 反面教師
「君子は和して同せず、小人は同じて和せず」
「礼をこれ用うるには、和を貴しとなす」 聖徳太子の十七条憲法第1条「和を以って貴しとなす」の起源
「学びて思わざれば則ち罔(くら)く、思いて学ばざれば則ち殆(あやう)し」
「故きを温ねて、新しきを知る。もって師となるべし」 温故知新
「これを知るを知るとなし、知らざるを知らざるとなせ。これ知れるなり」 ソクラテスの「無知の知」と同じことを言っている。
「学びて時に之を習う。またよろこばしからずや。」

参考文献

金谷 治 (訳注); 『論語』; 岩波文庫; ISBN 4-00-332021-2 (改訳, 文庫, 1999)
武内 義雄 (); 『論語之研究』;
津田 左右吉 (); 『論語と孔子の思想』;
狩野 直禎(); 『論語』; ナツメ社; ISBN 4-8163-3046-1
宮崎 市定『現代語訳 論語』; 岩波現代文庫; ISBN 4-00-600017-0
宮崎 市定著・礪波護編『論語の新しい読み方』; 岩波現代文庫