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藩政改革の大号令とは?


嘉永三年(一八五〇)十月、我公諸士ヲ集メテ全藩振肅ノ旨ヲ誠メ、着々之ヲ実行ニ移サル。と全集の年譜に記されているのが、藩政改革プロジェクトの開始宣言でした。板倉勝静公は藩士を集めて藩公自らが藩の現状と問題点を指摘し、先ず厳しい「上下節約令」を出されたのですから、全藩士に衝撃が走ったことでしょう。改革運動スタートとして最高の演出です。

藩公の宣言は、単に渡された文章を読むだけの形式的なものではなかったのでしょう。元締拝命以来十ヶ月、方谷先生が心血を注いで調べられた藩政の問題点とその解決大綱については充分説明を受け、自分のものとなっていた筈で、それだけに迫力があったことでしょう。「元締奉職当初財政収支大計」と「一藩勤倹取締り意見」の二つの上申書が藩公宣言の内容であったに違いありません。