柳下恵 柳下恵…春秋時代魯の賢大夫。展禽(てんきん)。 柳下恵は下徳の君でも平気で仕えるし、どんなつまらぬ官職でもいっこうに恥じたりせず、推薦されて仕える以上は、ひたすら才智を傾けて働き、常に自分の信ずる道を行った。 また君主に見捨てられても別に怨みもせず、どんなに困っても少しもそれを苦にしなかった。また朝廷を去ろうとするときでも是非にと引き留められればそのまま留まった。孟子は柳下恵を評して「慎みが足りない。一方に偏っており、君子はそれに従わない。」と言っている。 余説。柳下恵は城門が閉じられる門限に間に合わずに困っている女性を家に泊めてやり、その体を温めてやったことがあったが、淫らだとの評判はまったく立たなかったという。